第163回支部学習会報告
福井県手話通訳問題研究会の支部学習会を去る8月12日霞の郷で行いました
内容は2つ。
一つ目は故全通研前委員長 市川恵美子氏による-『手話通訳なるほど大学』聞こえない人に伝わる手話-のDVDを見ました。
内容は、長年ろうあ者に接しろうあ者の手話を熟知した通訳者ならではの経験豊かな内容でした。
正しい手話を使っても地域のろうあ者に通じなければ意味がない。立て板に水の如く手話を駆使しても(一見すばらしい手話に見えるが)見ているろうあ者が目が疲れるだけ。
手話の数が少なく目に優しい手話はろう者にスーッスーッと入っていく。そのためには通訳者は通訳技術だけだなく、言葉の意味を正確につかむ、話を聞く力が必要なこと。
そんなことを伝えるために、手話で「構わない」を訳す上で失敗したこと。「東京だけではない」と「東京だけない」の違い。「すみません」の手話をしながらにこやかな表情で失敗、手話と表情は一体のもの・・・など とにかく経験に基づいているだけに説得力があり、ユーモアたっぷりでその場の全員が引き込まれてしまいました。
最後は上達するためのコツ。「自分がどうするかではなくろう者がどうするかを見る」 そこでもしろう者の手話が読めなくても「今のもう一度」とか「その意味なに?」ではなく「へえ」「わかった」と話をリードし楽しく会話をする、通じたという実感を味わう。その説明が皆身に覚えのある話で、おかしくて大笑いでした。 楽しくてかつ勉強になった内容でした。
休憩をはさみ二つ目の学習は-『手話通訳レッスン』保育園の運動会園長先生のあいさつ-のDVDを見ました。表現1と表現2の違いからどのような工夫がされていたかを検討しました。どのような人がどこの場所に座っているかで視線や向きが違う。「間違えた」「転んだ」もリアルに表現にすることで臨場感があるなど考えました。最後に通訳者の一人が参加されていたろう者に対し福井のやり方で実際に表現をしました。
最後に指名された通訳者の方、ご苦労様でした。(M.S)
2012年8月16日